日本中を大きく騒がせたSMAPの解散騒動。メンバー全員がテレビの前で謝罪した謝罪会見は、ジャニーズに残留すると表明していた木村拓哉さんが仕切り、事務所から独立しようとした4人はただ頭を下げるという内容でした。視聴者にはわからない「大人の事情」を感じ取ってしまった方も多かったようです。
これを受け、ネット上には「SMAPはまるでサラリーマンみたい」とする声が多数現れています。いったい、どういうことなのでしょうか。
池田信夫氏「日本のサラリーマンはSMAPである」
日本の雇用問題に詳しい池田信夫氏が公開した記事「日本のサラリーマンはSMAPである」が、SNSで話題になっています。
同氏は、SMAPが独立できなかったのは「独立したタレントは他の芸能プロでは使わない」という芸能界のルールがあったためだとしたうえで、SMAPと日本のサラリーマンの共通点を指摘しています。
専門的なスキルを見ない新卒一括採用を行う日本では、新人は先輩を見ながら社内調整の仕方やコピーの取り方などを学びます。これらのスキルは他の企業では使えない企業特殊的技能のため、転職した場合は役に立ちません。また、そもそも中途採用が行われることが少なく、日本の企業システムは、サラリーマンが会社から離れようとすると干されるようにできているんだそう。
このように1つの会社でしか生きていけないサラリーマンと、結局、ジャニーズ事務所から独立できなかったSMAPのメンバー4人との類似を指摘したうえで、「SMAPの敗北は、日本の企業システムの「脱構築」の道がまだまだ遠いことを示す出来事だった」と締めくくっています。
Twitterでは「アイドルも結局社畜」「サラリーマンも独立はできない」
Twitter上にも、謝罪するSMAPの姿から権力に逆らえないサラリーマン、場を乱した人を吊し上げするサラリーマン社会のあり方を見て取った人たちが。
こんな意見も…「キムタクもサラリーマン」「家庭持ちだから仕方ない」
メンバーの中で唯一、ジャニーズ事務所からの独立をしようとしなかったことで木村さんには賛否両論が集まっていますが、中には唯一の家庭持ちであり、安定を求めるのは仕方ないという指摘も。
自分と家族を守る「サラリーマン力」
日本のトップを走り続けるアイドルグループとはいえ、SMAPも一般人と同じ労働者です。自分では立ち向かえない大きな権力に対して頭を下げるしかないという点では、彼らもサラリーマンと変わらないのでしょう。
たとえ辛かったとしても、自分の生活や家族を守るために我慢する。これは他人の元で働く勤め人にとっては不可欠な能力です。サラリーマンにとっては必須なサラリーマン力の1つだと言ってしまってもいいかもしれません。
(image by PresenPic)